Contact

AI

株式会社ビジネス・フォーラム事務局 様

「何ができるの?」から始まったAI活用。「rheo(レオ)」でデータ整備とイベント企画を変えるまで

お話を伺った方

株式会社ビジネス・フォーラム事務局

  • 河西様(情報システム室 情報推進担当:データクレンジングと Salesforce の運用を担当
  • 三木様(イベントコーディネート局:申し込みリードの確認を担当
  • 柴山様(情報システム室 IT担当:Salesforce の保守を担当

聞き手:仲 有理(TIERO 執行役員/rheo 開発責任者)


イベントやフォーラムの企画・運営を手がけるビジネス・フォーラム事務局では、担当者がそれぞれの本業と兼務しながら Salesforce の運用・保守を担っています。Excel を使った名寄せや、エラーが起きるたびの調べものに時間を取られていた同社は、Salesforce 向けの AI 保守ツール「rheo(レオ)」をトライアル導入しました。最初は「これで何ができるの?」と戸惑う声もありましたが、今では重複データの照合が1時間から数分になり、フローの改修も自力でこなせるようになっています。データ整備から始まった活用は、イベントの準備やマーケティング業務にまで広がりました。全社展開を見据える河西さん、三木さん、柴山さんにお話を伺いました。


名寄せは「何日かけても終わらない」、保守は「毎回一から調べる」

導入前、最も手間がかかっていたのはデータクレンジングでした。

「Salesforce からレポートでデータを抽出し、Excel の VLOOKUP で照合して、一致したものをまた Salesforce で検索してマージや加工をする。この作業にかなり手間がかかっていました」(河西さん)

Excel の照合は、完全に一致しないとヒットしません。表記が少しでも揺れていれば同じ人として扱えず、処理しきれないまま残るデータもありました。しかも作業に集中できる時間はなく、ほかの業務の合間を縫って進めるしかありません。「何日かけてもなかなか終わらない、というのが正直なところでした」と河西さんは振り返ります。

保守にも同じ事情がありました。

「当社は専任担当がおらず、担当者はみな本業を持ちながら、Salesforce に何かあったときの保守も兼務しています。最低限の知識しかないので、自分たちでカスタマイズするには限界がありました。エラーが起きたときも、どこを見ればいいかを毎回一から調べていて、とても時間がかかっていました」(河西さん)

もう一つの課題は、社内のデータ整備ルールが細かく設定されており、処理に個人差出てしまうことです。例えば、三木さん部署では、開催イベントへのお申込者情報をリードで管理しており、日々多くのリードを1件1件、目検で確認・修正しています。

「リードの確認は、社内独自のルールに沿って行っています。ルールの認識に違いがあったり、件数が多いため見落としが発生することもあり、処理に個人差やヒューマンエラー出てしまうことがありました。」(三木さん)

Salesforce に「つながっている」ことの意味

社内ではこれまでも、AI 導入の話が立ち上がっては立ち消えてきました。会社として推進する AI はなかったのです。rheo の活用が進んだ理由について、河西さんは Salesforce とつながっている点を挙げます。

「当社は Salesforce を起点に仕事をしています。別のところにある AI は情報がうまく連携されず、使いづらかった。rheo は業務と Salesforce につながっているのが大きく、できることがかなり広いと感じています」(河西さん)

名寄せから始まり、保守、イベント業務、マーケティングへ

重複データは「条件を入れればすぐに出る」

最初に使い始めたのは、データクレンジングと名寄せでした。

「今は重複の条件を伝えると、rheo がすぐに候補を出してくれます。それをリストにして、実務担当に渡すだけです。業務の合間を圧迫していた時間を、ほかの仕事に充てられるようになりました」(河西さん)

エラー対応も、初めてのフロー改修も

保守の場面でも、rheo は頼れる相談相手になっています。

「エラーが起きたときも、rheo にひとつ聞けば『ここを見ればいい』『こう操作すればいい』がはっきり返ってきます」(河西さん)

柴山さんは先日、勤怠管理のフローの改修に rheo を使いました。打刻されていないときにメールを送るフローです。

「わからないところは全部スクリーンショットを送って、『ここはどういう意味ですか』と細かく聞きました。そうすると丁寧に教えてくれるので、フローを触るのは初めてでしたが、想定どおりに動くものが作れました」(柴山さん)

rheo の開発責任者である仲は、この話に大きくうなずきます。

 

「知識がなくてもできる、というところにできるだけ rheo をつなげたいと思っています。それがお客様の現場で実現できたのは、とても嬉しいですね」(仲)

複雑な社内ルールや競合チェックも、背景を汲み取り一括提示

三木さんが担当するリードの確認でも、効果が出ています。

「rheoに社内の細かなルールを教えることで、確認が必要なリードや修正するべき箇所を一括で提示してくれるようになりました。今後はrheoを活用することで、人の目による見落としを防ぎ、誰が担当しても一定の精度を保てると見込んでいます。また、申し込み情報の確認以外にも、イベントで出すケータリング類にご参加者様の競合他社製品が含まれないかなど、イベント準備に関わるチェックにも活用しています。rheoにはイベントの情報も見えているので、『このイベントの主催はどこで、どういうイベントか』という背景まで、前提条件を伝えなくても汲んでくれる部分も、助かっています。」(三木さん)

 「担当者しか知らない」過去イベントにワンステップで

活用はデータ整備にとどまらず、同社の本業であるイベントの企画や準備にも広がっています。

「同じカテゴリーで開催した過去のイベントなどを調べるときに使っています。イベントの内容や社内の管理番号は担当者しか覚えていないので、『去年の似たイベントにどんな方が参加していたか』や『どのような建付けで開催したか』などイベントに関わる情報を探すのに時間を要していました。それが今はワンステップで見つかります」(河西さん)

あるカテゴリーに関心を持ちそうな人や、集客したい属性の人がどれくらいいるかも、すぐに確かめられるようになりました。イベント当日に向けて参加者の属性を確認し、必要なもの・不要なものを参加者に合わせて整えるときにも使われています。

時間だけでなく、精度と「判断する余地」も

業務

導入前

導入後

重複データの抽出・照合

約1時間(Excel で照合)

数分。精査を含めても数十分

手書きアンケートのデータ化

外注して数日

当日中に返ってくる見込み(取材時点で最終調整中)

申込者の情報確認

1件ずつの検索

rheo に1回質問

エラー・設定変更の調べもの

毎回一から調査

見る場所と操作手順がすぐわかる

河西さんが強調するのは、時間の短縮だけではない変化です。

「精度も上がっています。人がデータを見れば『こことここが同じだから、たぶん同じ人だろう』とわかるものでも、機械的に探すのはこれまで難しかった。rheo は表記が揺れていても『この人はたぶん同一人物ですよね』という候補を、こちらの意図にかなり近い形で出してくれます。

もうひとつ良いのは、すべてを AI 任せにせず、こちらが判断する余地を残してくれていることです。候補を見たうえでどうするかを決めて進められる。浮いた時間をその判断に充てられているのも、時間短縮だけではない良さだと感じています」(河西さん)

「前置きなしで使えるAI」を全社へ

まずは「困りごとをそのまま投げてみる」

同社は今後、rheo の利用を全社に広げていく予定です。展開にあたって考えているのは、細かい使い方を決めることではありません。

「限られた人数で見ているので、どこを効率化できるかはまだ一部しか見えていないと思っています。まずは『とにかく使ってみてほしい』と投げるつもりです。若手も含めて、不便に感じていることは人それぞれ違うはず。それを rheo にぶつけてもらい、返ってきたものを社内で揉んでいきたいです」(河西さん)

その手応えを裏づけるのが、三木さん自身の体験です。

「とっつきやすいです。普段の業務で困っていることを、そのまま投げればいい。『こういう人たちをリストアップしたい』と言えば出てくるので、これまでのシステムと違って前置きの説明があまりいらないと思います。私自身、最初は何に使えばいいかわからず困っていました。でも、ふとした疑問をつぶやくと答えてくれて、『こんなこともできるんだ』とわかっていく。ハードルはとても低かったです」(三木さん)

この「何ができるの?」という戸惑いこそ、rheo が越えようとしてきた壁です。

「企業で AI を使うとなると、汎用の AI チャットをただ渡しても『じゃあ何を聞けばいいんだろう』となりがちです。rheo は業務に紐づいていて、やりたいことを聞けば教えてくれる、業務の代わりをしてくれる。そんな AI を目指しています」(仲)

さらに期待すること

取材の最後には、これからの期待も語られました。

「会議に rheo が同席していて、質問事項や即答できないような話題について その場で調べて提案してくれる。そうなれば『持ち帰って調べます』がなくなり、限られた打ち合わせの時間を有効に使えると思います」(河西さん)

「小さな会社なので、セキュリティの技術者を抱えているわけではありません。Salesforce だけでなく、社内のほかのシステムも含めて AI が見張ってくれるような仕組みがあれば、とても助かります」(柴山さん)

おわりに

企業に AI を導入しても、ツールを渡すだけでは「何を聞けばいいのか」で止まってしまうことは少なくありません。ビジネス・フォーラム事務局では、業務データとつながった AI に日々の困りごとをそのまま投げかけることで、活用の幅が少しずつ広がっています。

全社展開が進めば、現場からはさらに多くの声が届くはずです。

「ほかの方に使っていただく中で、『こういうことをやれたらいい』『今はうまくいかないけど、こうできたらいい』がきっと出てきます。それをキャッチアップして、rheo をブラッシュアップしていきたいと思っています」(仲)

兼務の担当者が抱えていた手作業を AI が引き受け、人は判断や企画に時間を使う。ビジネス・フォーラム事務局の取り組みは、専任の管理者を置けない企業が Salesforce を使いこなすためのヒントになるはずです。

※本記事の内容は取材時点(2026年10月)のものです